キャリアアップ助成金を利用しよう!採用前に確認しておく2つのこと

キャリアアップ助成金を活用していますか?
キャリアアップ助成金は、現在、利用できる助成金の中では、比較的に「仕組みが簡単で利用しやすく」かつ「助成金の支給額が多い」オススメの助成金となります。

既に多くの企業が利用しているので、この機会に是非あなたの会社でも活用してください。

キャリアアップ助成金~正社員雇用等転換コース~

キャリアアップ助成金には、6つのコースがあり、今回お話しするのは、その1つ「正社員雇用等転換コース」になります。

正社員雇用等転換コースは、簡単に言えば

  • 有期雇用契約をしている従業員を
  • 正社員に切り替えると

50万円がもらえる助成金になります。

上記、正社員雇用等転換コースのポイントは2つです。

  • 有期雇用契約の従業員がいる
  • その従業員を正社員に切り替える

その他、細かい条件はありますが、ざっくりつかんでもらいたいのは、この2点です。
※有期雇用契約でない方でも助成金の対象となりますが、わかりにくくなるのでここでは割愛します。

「①有期雇用契約の従業員がいる」とは

「正社員雇用等転換コース」の助成金のお話をすると「有期雇用契約ってパートさんのことでしょ?うちはパートさんを、正社員にしないから該当しないよ」とよく言われます。

「有期雇用契約」と「短時間勤務(パートタイム)の契約」とを勘違いしているケースとなりますが、実に非常に多くの方が勘違いされますので、有期契約とは何かについて解説しておきます。

有期雇用契約の従業員とは、字の通り「有期=期間の定めがある」契約をしている従業員のことです。
例えば、1年間や半年の期間で働いてもらうことで雇用契約した従業員のことを指します。

具体的に言えば、労働契約書(労働条件通知書など)で、契約期間の定めありと記載されている従業員の方を指します。
そのため、正社員雇用等転換コースの助成金(有期→正規)をもらうためには、「労働契約書(労働条件通知書等)」が必須となります。

つまり、1番目のポイントである「①有期雇用契約の従業員がいる」とは、「労働契約書で、契約期間の定めありと記載されている従業員」と言い換えることが出来ます。

「②その従業員を正社員に切り替える」とは

2番目のポイントは、「労働契約書で、契約期間の定めありと記載されている従業員」を正社員に切り替えることです。

正社員の切り替える前提条件として「あらかじめ就業規則(もしくは労働協約)で有期雇用契約労働者向けの正社員登用制度を定めている」必要があります。

「就業規則で有期雇用契約労働者向けの正社員登用制度を定める」とは、就業規則の中に正社員登用制度のルールを明記してあるかどうかということです。

一般的には、就業規則に正社員登用制度を設けている中小企業様は多くないかと思いますので、今ある就業規則に新たに正社員登用制度を追加する、もしくは新しく正社員登用制度のある就業規則を作成する、ことになります。

正社員登用制度のある就業規則さえ作成できれば、後は、その正社員登用制度を利用して正社員に切り替えればいいだけですので、実は2番目の最重要ポイントは「正社員に切り替える」ことではなく、「正社員登用制度がある就業規則を作成する」ことであると言い換えることが出来ます。

まとめ

この助成金のポイントをまとめると、

  • 労働契約書で、契約期間の定めありと記載されている従業員がいる
  • 正社員登用制度がある就業規則を作成して正社員に切り替える

となります。

尚、助成金額については1人50万円が支給されます。1年度15人まで支給されますのでうまく受給できれば750万円の助成金が支給されることになります。

事業主側のリスク回避のもつながる

このキャリアアップ助成金は、現在求人応募を検討している、または実際に行っている会社様が活用しやすいものとなっています。
今から新しく採用される方を、有期雇用契約で採用し、半年後に正社員化を行うといった流れで助成金を活用していくことが多いからです。

ここで助成金と少し離れますが、有期雇用契約という採用手法をとることで、採用リスクを軽減することにつながります。

新しく採用する方は、海の物とも山の物ともつかない状況です。
経営者様の中には、採用後に失敗したなと思った経験を持つ方は多くいらっしゃると思います。

だからと言って、その従業員の方をすぐ辞めさせることが出来るかというと、現在の日本の労働法体系は、労働者有利なものとなっていますので、事業主側から労働者を辞めさせるには相当な理由が必要になります。

試用期間で設定している会社様が多いとは思いますが、例え、その試用期間中と言っても採用後14日を経過した後では、相当な理由がないと辞めさせることは出来ません。

つまり、事実上、試用期間を定めても、一旦、期間の定めがない労働契約で雇用すると、日本の法律では辞めてもらうことが非常に難しいというのが現実となります。

その点、有期雇用契約であれば、契約期間をもって退職していただくことができます。(契約期間満了での退職といいます)
そのため、採用時のリスク回避としても、有期雇用契約というものは非常にメリットがあります。

しかしながら、有期雇用契約とは、採用される側から見れば、あまり良い印象がないことも理解しておきましょう。
事業主側に採用リスクの軽減というメリットがあるということは、逆に言えば、採用される側としては雇用が不安定であるとも言えます。

そのため、有期雇用契約という形はとるが、お互いに確認しあう期間であること、採用される側としてもこの会社でやっていけるかなと確認する、事業主にとってもこの人はやっていけるかなと確認する期間になる旨と、通常であれば正社員登用制度を利用して半年後には正社員になることが多いことを丁寧に説明しましょう。(注意点としては、正社員登用の約束をしないようにしてください。)

また、キャリアアップ助成金は、その名の通り、従業員のキャリアアップを目的としている助成金となりますので、採用者には「有期雇用契約期間中に、きちんと教育をして半年後に問題がなければ、正社員に登用する制度である。ステップアップしていただくための有期雇用契約であることを伝えていただけると印象が変わるのではないでしょうか。

キャリアアップ助成金について申請のご依頼、内容を聞きたいなどは、是非お気軽にお問い合わせください。